エポキシモルタル/グラウトとセメントモルタル/グラウトの物性比較
一般的なセメントグラウトは、機械の運転状況の影響から、潤滑油などが浸透して劣化し、不等な沈下を起こしたりします。また、中性化による発錆(はっせい)膨張を原因とする浮き上がりで、機械にレベル変化や振動を生じさせ、運転を妨げる起因になったりします。
一方で、エポキシグラウトは、圧縮、接着などの強度が高く、耐油性や防食性にも優れているので、機械を長期間、安定して運転することができます。
エポキシモルタル/グラウトとセメントモルタル/グラウトの物性比較
圧縮強さ
曲げ強さ
引張強さ
接着強さ
耐油促進試験
セメントモルタル/グラウトは、潤滑油、圧延油、切削油、作動油など、機械油や燃料油の浸透によって油濁劣化を起こし、強度が低下します。一方で、エポキシモルタル/グラウトは、機械油や燃料油に対して、優れた耐久性能を発揮します。
防錆性
セメントモルタル/グラウトは、機械接触面に空気中の二酸化炭素が浸透することによって、セメント中の水酸化カルシウムが炭酸カルシウムに変化します。その結果、アルカリ性の低下や、水や酸素の浸透を引き起こし、鉄に錆を発生させます。
Ca(OH)2+CO2→CaCO3+H2O
一方で、エポキシモルタル/グラウトは、鉄と強固に接着して一体化するため、水や酸素の浸透がなく、錆の発生を防ぎます。
高靱性
セメントモルタルは、繰り返し荷重に対する脆弱性から、破損を招きます。それに対して、エポキシモルタルは、高度の靱性を備えているので、繰り返し荷重に耐えることができます。
耐摩耗試験(スリヘリ試験)
(財)電力中央研究所 奥田式スリヘリ試験
耐衝撃試験
試験用の鋼球(φ12cm・重量7.26kg)
試験前の供試体
200回落下試験後
凹みの直径 40×43mm
凹みの深さ 1.98mm
(鉄筋コンクリートは、30回で破壊)